第1章

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   その先に、何があるのか。  さっきの考えの中での勇人じゃないけど、どう考えたって泥舟状態になっちゃうよ。 「楓に、話しを聞いてもらおうかな」  そう呟いて楓に電話してみたけど、全然出る気配が無かった。  時間は、夜の十一時。  この時間だったら、楓が電話に出ない筈が無いのに。  楓にしてみれば、きっとそんなつもりは無いのだろう。だけど気持ちが弱ってる私は、それだけの事で見捨てられたような気分になる。 「例によって、ウジウジ考え過ぎなんだけど……」  別れを切り出して受け入れられなくて、口喧嘩になっただけなんだけど。  なのに、気持ちはどんどん落ちていく。  そうなってくると、自然と癒しとか安らぎを求めちゃう。当然、マスターの顔が頭に浮かぶんだけど、今日は行っちゃいけないと思い直した。  もし行ったら、マスターとの関係まで終わっちゃいそうだし。
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