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four
いつも通りの店内。
例によって他にお客さんはいなくて、テーブル席に岡田さんがいる。その場から、カウンターの向こうのマスターと話してる。
だったら、カウンターで飲めばいいのにね。
あの席のあの場所がお気に入りだから、決まってあそこに座るんだろうけど。
そんな二人は、私に気付かず会話を続けている。
「だからな、昔俺が空手道場の師範だった頃の話しだよ」
「それは、何年前の事ですか」
「そうさなぁ、三十年ほど前の事かな。とにかく喧嘩の勝負は、最初に手を出す直前に決まっているんだよ」
今日の職歴は、空手の師範なんだ。
思い返してみると、私が知るだけでこの人の職歴は三十を超えている。それだけ、私は夜にここに来ているって事になる。
そして岡田さんの職歴は、どれが嘘でどれが本当なのか。
マスター曰く、全部が嘘みたいだけど。
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