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だけど、岡田さんからきっかけをくれたら、マスターにも話しやすい気がする。
さっそく、岡田さんが絡んできた。
「若葉ちゃん、最近元気が無いようだが」
「まぁ、元気は無いですよ」
「まさか、彼氏と喧嘩でもしたか」
「岡田さんには、関係ないでしょ」
「おやおや、図星みたいだったな。どうだい、人生の先輩が相談に乗ってやろうか?」
「結構です」
ここまでの会話が出来るほど、岡田さんとも仲良くなっている。それだけに、こんな展開を予想してその通りになってたりした。
今のやり取りを、マスターも聞いていただろう。
これで、話すきっかけが出来た。
そう思えたら、岡田さんはお役御免となる。だから岡田さんに背を向けて、カウンターの向こうのマスターへと向かい合う。
穏やかで、優しいいつもの笑顔。
それを見るだけで、重くなってる気持ちがシャボン玉のように軽くなる。
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