第1章

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   何も言われてなければ、一気に飲み干せそうな程に。  私が飲めるお酒の限度は、たぶん五・六杯ってところ。普段は、一・二杯飲んだら満足だけど、ここに初めて来た時はそのくらいまで飲んだ気がする。  その辺は、覚えていないんだけど。  マスターは、そんな私の話しを聞いて、飲むお酒によってアルコール度数は違うので、何杯という基準はあてにならないと言ってくれた。  カクテルだと、同じメニューでもレシピでアルコール度数が違うし変えられる。  だから数じゃなく、自分の体調や良い具合で判断した方が良さそう。  ただ、今飲んでるカクテルは、本当に気を付けないとヤバい。  マスターの話しに夢中になっていると、半分以上を飲んでしまっていた。 「でも、美味しいしなぁ」  カクテルの味と香りに浸りつつ、マスターの優しい声に包まれている感覚は心地よい。  それだけで、癒される気分だった。
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