第1章

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   大学に入学前の私だったら、そんな内装だけで尻込みしそう。  だけど、うちの大学の学食がこんな感じだったりするから、逆に落ち着く感じすらする。  先に来て、店内で待ってた屯田林くんは落ち着かない感じだけど。 「あの、屯田林くん。話しって何?」 「楓ちゃんの事なんだけど」 「あぁ、そっちの話しだったんだ」 「そっちって、他に何の話しだと思ってたの」 「まぁ、それはいいじゃない。それより、楓と何かあったの?」 「うん、実はさ……」  話しが本題に入ると、屯田林くんは挙動不審になり口籠もる。呼び出したのは、屯田林くんの方なのに、そこから話しを進めようとしない。  んっ、これって、何?  私の頭には、少しも無かった状況が、頭の中に浮かんできて気持ちが焦ってくる。  屯田林くん、楓から私に乗り換え?  いやいや、それはいくら何でも話しが飛躍しすぎだし。
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