第1章

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   屯田林くんを落ち込ませちゃっておいて何だけど、楓って本当に彼と付き合う気は無いんだろうか。  ここ二年以上、楓は彼氏を作った事が無い。  そればかりか、沢山いる男友達の中でも屯田林くんのように、二人っきりで遊びに行く相手はいなかった。  もしもそうなりそうになったら、私と一矢が呼び出されてたから。  そう考えると、屯田林くんって特別? 「ねぇ、若葉ちゃん」  他の男友達と屯田林くんとで、決定的な違いがあるとすれば、楓とカラオケで歌う曲の趣味が合う事。  だけどそれだけで、他の男子とここまで差別化するかな。  そう考えると、この世界中で楓の彼氏に一番近い位置にいるのが、屯田林くんって気がしてくる。  彼の気持ちは、私から楓に伝えてるし。  実は、それで急に意識しちゃって、屯田林くんからの誘いを断るようになっちゃったとか。 「あのさ、若葉ちゃん?」
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