第1章

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   そこで、屯田林くんが弱音を吐く。 「ただなぁ、ぶっちゃけ俺って自分に自信が無いんだ。だから、楓ちゃんが振り向いてくれるまで、頑張れるか不安なんだよな」 「でもさ、自分に自信がある人って、そんなに多くないと思うけど」 「そうかなぁ。顔のいい奴って、なんだかんだで自分に自信がありそうじゃん」 「屯田林くん?」 「ほらっ、俺ってそういうキラキラ側の人間じゃ無いんだ。だから、どうしても考え方が卑屈になっちゃってさ」  キラキラ側って言葉が、彼の心境を強く物語ってる気がした。  人間は、外見じゃないよ。  ありふれた慰めの言葉は、今この場では相応しくないと思った。逆に彼に対して、失礼な言葉になる感じがして。  きっと彼は外見的な理由で、恋愛において苦い経験があるんだろう。  それを今、聞き出すのも失礼そうだけど。  そして楓は、彼からすればキラキラ側の女子って事なんだ。
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