9人が本棚に入れています
本棚に追加
そこで、屯田林くんが弱音を吐く。
「ただなぁ、ぶっちゃけ俺って自分に自信が無いんだ。だから、楓ちゃんが振り向いてくれるまで、頑張れるか不安なんだよな」
「でもさ、自分に自信がある人って、そんなに多くないと思うけど」
「そうかなぁ。顔のいい奴って、なんだかんだで自分に自信がありそうじゃん」
「屯田林くん?」
「ほらっ、俺ってそういうキラキラ側の人間じゃ無いんだ。だから、どうしても考え方が卑屈になっちゃってさ」
キラキラ側って言葉が、彼の心境を強く物語ってる気がした。
人間は、外見じゃないよ。
ありふれた慰めの言葉は、今この場では相応しくないと思った。逆に彼に対して、失礼な言葉になる感じがして。
きっと彼は外見的な理由で、恋愛において苦い経験があるんだろう。
それを今、聞き出すのも失礼そうだけど。
そして楓は、彼からすればキラキラ側の女子って事なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!