第1章

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ー あの事件の日、尾崎宅 ー あたし尾崎 唯の身体1つでは午前中の授業を耐え抜くのでやっとだった。 早退し、一人部屋で今日半日を振り返る。 たった1日で豹変したクラスメイト。 いつもと全く違う空気。 周りから聞こえる罵声。 あたしがずっと見てみぬふりをしてきた光景。 対象が自身に変わった瞬間、初めて痛感する。 巳島くんはこの空気を平然と毎日耐えていたの。 巳島くんの精神は鉄で出来ているのではないか。 本気でそう考えてしまう自分に気付く。 それと同時に痛感する。 やっぱりあたしは弱虫だ。
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