第1章

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「同窓会どーだった?」 週明けの月曜日 教室のドアを開けると、親友の生島朱莉(アカリ)が勢いよく声を掛けてきた。 低血圧ぎみの私には 週末の出来事をうきうきと話す元気が出ない。 「同窓会っていうか、ただの中学んときの集まりだよ」 眠気に耐え切れず欠伸をしながらそう答えると、 でも何かあったんでしょ?と にやにやしながら、朱莉が顔を寄せる。 「あ~…」 あることはあった。 というか、めちゃくちゃハッピーな出来事があった。 少しずつ元気が湧いてきた私は、 まるでさっきまで低血圧でダウンしていたことがウソのように 朱莉の顔を見上げ 瞳を瞬かせながら、チョイチョイと朱莉を手招きした。 「…実はねーー」 「おーい!生島!橘!いつまでおしゃべりしてんだ?席につけ~」
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