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「陽菜~!」
お昼休みになり、待ってました!とばかりに
朱莉が勢いよく私の元へ駆け寄ってきた。
さっきの話でしょ?と、
私も話したくて話したくてウズウズしている。
「さぁ!吐け!」
吐けって…
「んー、あのね、実は…」
私の浮かれ話をマシンガンで話だそうとしたその時
「陽菜子」
私を呼ぶ声と同時に、ペシッと頭を叩かれた。
「いったーい!ちょっと何なのよ、真咲!」
ホントは全然痛くなんてないのだけれど、
叩かれた頭を押さえながら、頬を膨らませて怒ったように振り返った。
「今日弁当忘れた。食堂行くから金貸して」
悪気もなく、サラッと言ってのける真咲。
「…なんで私が」
「お前しかいねーじゃん、こーゆーの頼めんの」
「あんたねぇ…」
そーゆーいかにも女子がドキッとしそうなことを、サラッと平気な顔して言うから
私が反感を買うのよ!
「ほら、早く」
ムスッとしてみるものの、
教室の外から真咲を呼ぶ他の男子の声が聞こえ、しぶしぶお財布から野口英世を取り出した。
「もうっ。倍にして返してよね」
「サンキュ」
そう言いながら私の横を通り過ぎながら、頭をぽんぽんと撫でられた。
真咲は昔からそう。
私のことを妹みたいに思ってる。
だから人前で平気で照れるようなこと言ったり
頭撫でたり…
そういう真咲の行動が、子どものころから普通だった私にとっては何でもないことでも
側から見たらどう思われるか…
その辺に無頓着なのも、昔からそう。
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