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懐かしい夢を見た。 母に良く聞こえることはいいことじゃないのか、と問いかけて、困ったように笑われる… その次の週にはもう「母」ではなかったのだけれど。 親戚から母になった次の人も、私を怪物のように扱った。 初めて遊園地と言う所に連れて行ってもらった次の日 私の家は孤児院に変わった。 それからすぐ家は孤児院から庭付きの大きなものに変わったけれど、すぐに私の《特技》に気付いた彼等は私を空気のように扱った。 それからの毎日はまるで色が付くことはなく。 だから、 目を覚ましたときに寝ていた場所が大きなベッドじゃなくなっていたこととか、 今までみたことがないくらい大きな図書館があることとか、 手に可笑しな紙が握り締められていたこととか。 それらは私にとって「恐怖」ではなく、「喜ばしい」事だった。
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