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「会長。お腹空きませんか?」
「空いたね。ハンバーガーでも食べて帰る?」
「そうしましょう」
駅前のハンバーガーチェーン店。
セットの載ったトレイを持って、空いているテーブルの上に置いた。
ハンバーガーを食べながら、
「会長。なんか不幸な事が続きますね」
「本当に、変な事ばっかり。それより、直子さんどうしたのかしら」
「私、帰りに寄ってみます」
「通り道なの?」
「いえ、反対の方向なんですが。昨日の火事が心配で、親戚が近いものですから、顔を出して来いと親に言われたので」
「メールの返信も来ないの?」
「まだ来ていませんね」
食べ終わり、少し話をして、由香と別れて家に戻った。
「ただいま!」
美優は、部屋に入った。
着替えを終え、宿題もヤル気にならないので、FMラジオを聞いて気分転換をしようと思った。
由香から電話。
「もしもし、」
慌てている由香の声
「会長、大変です! 直子さんの家が、火事だったんです!」
「えっ!」
「直子さんは、逃げ遅れて亡くなったと」
「ホントなの!」
「二階が直子さんの部屋だったんですけど、火の勢いが強くて逃げれなかったと」
息を吸って、続ける由香。
「ご両親に話を聞きましたから本当です!」
「私もそっちに行くわ」
「会長。私が会長の家に寄ります。こっちはゴチャゴチャしていて、来ても仕方が無いかと。それじゃあ、夕方行きますので」
電話が終わり、由香を待つ事にした。
その間、担任に電話してみた。
「先生、美優です。部員が亡くなったって聞いたもので」
「残念ながら。ご両親から今、連絡が入った。詳しい事解り次第連絡するから、待機していてくれ」
電話が終わり、
「本当だったんだ」
直子の死を確信した。
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