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久美が帰ってから担任に電話を掛けた。
「出ない?」
もう一度。
今度は、繋がらない。
「どうしたんだろう?」
嫌な予感が、美優を包む。
担任は、救急車の中だった。
突然の、心不全。
救急車の中で、うわごとの様に。
「て、天使の悪魔・・・」
絶命・・・
美優は、由香に電話を掛けた。
「会長! 助けて下さーい!」
「どうしたの!」
「天使の悪魔が・・・・」
「由香さん、由香さん!」
「キャー! 火が・・・」
「由香さん! 由香さん! 何があったの!」
「・・・」
電話が切れた。
美優は急いで、美香の家に行ってみた。
近くに行くと、騒がしい。これ以上行けない、消防車のサイレン響いている。
「火事?」
電話が鳴る。
「美優。由香さんの家が火事よ」
「え! 心配で近くまで来ているの」
「私も行くわ。待ってて!」
久美が来るころには、火は収まり近くまで行けるようになっていた。
「美優、どうなの由香さんは」
「わからない・・・」
救急隊員に久美が聞きに行った。
暗い顔で戻って来た。
そして・・・
火に巻き込まれて若い女性が亡くなっていると。
美優は茫然とした。
帰り道の様子は覚えていない。
久美に付き添われているのは、解っていたが、どの様に帰って来たか解らない。
ベッドで横になった。
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