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四時を過ぎた。
そろそろ、食事の準備をする時間になった。
「戻って来ないね。加奈子」
不安そうに優花が言った。
久美が、明るく答えた。
「加奈子は、食べている時に帰ってくる戦法だね。後片付けお願いしちゃおう」
「それじゃあ。食事の用意しましょうか。優花は、ご飯の準備お願い。美優は、火をおこして」
久美は的確に指示して、バーベキューの用意を始めた。
優花は、給水場へ行き、お米を洗いに行った。
美優は、バンガローの前に設置されている、バーベキュー用の焼き台と、その隣の炊飯用の竈に火をおこした。
野菜を切り終わった久美は、給水場で野菜を洗ってきた。
「火も良い感じだし、ご飯炊きましょうか」
久美に言われて優花は、飯ごうを火にかけた。
「バーベキューの串どうする?」
久美が皆に聞いた。
「串刺すの苦手。指に刺さったら痛いし」
駄々っ子みたいな優花、
「串に刺さないで、網焼きにしますか。焼き肉みたいだけど」
美優の意見に皆、賛成した。
料理番長の久美が、
「ご飯が炊けたら、焼きますか」
三人、竈の飯ごうを観察しながら、
「そういえば給水場で、2組の人が言っていたけど。小池先生の姿が、見えないんだって」
優花の話に美優が、
「皆を迎えに行ったはずじゃない?」
「確か、誰ともすれ違わなかったよね。優花」
「久美さんの言う通り。一本道だったから、解るはずですよね」
続けて優花が、
「それより、加奈子さん遅いですね。メール来てないですかね?」
久美がスマホを見て、
「来てないわね。メールもう一度して、担任に言った方が良いね」
火加減を見ていた美優は、
「ご飯食べてる最中に来るかもしれないけど、ご飯の前に報告しておいた方がいいかもね」
「そうね。今担任に話してくる。準備出来たら先に食べてても良いよ」
そう言って久美は、担任の所へ行った。
辺りを見ると、晩御飯の用意が出来始めて、美味しそうな匂いと共に笑顔が溢れている。
飯ごうを見ていた優花が、
「ご飯炊けたみたいですね。後は蒸らしてOKですね」
飯ごうをひっくり返した。
「そろそろ、良いみたいですね」
優花が飯ごうを元に戻そうとした時に、久美が帰って来た。
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