帰らない

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中々眠れない三人。 横になりながら、話を少しずつ始めた。 それでも、眠れない。 どれくらい時間が経っただろう。  ガタガタガタ・・・・ 「地震?」 久美が飛び起きた。 「みんな、地震」 「違うよ、揺れていないよ久美!」 冷静に美優は言った。 「なんなんですか? 悪戯!」 優花は、脅えながら怒っていた。  ガタガタガタ・・・・ 「キャー!」 優花は、悲鳴をあげた。 咄嗟に美優は、懐中電灯の光を、音のするドアに向けた。 「なに!」 そこには、スズメ位の大きさの、天使の様な後ろ姿。 灯りに照らされると、壁に消えて行った。 放心状態の美優。 「美優!、美優!」 久美の声で、我に返った。 「何を見たの? 美優」 見た事を二人に話した。 「それは、森の妖精ではないですかね。迷い込んだのですかね」 優花が落ち着いて話した。 「それなら良いけど・・・」 美優は、恐怖の方が大きかった。 その時!     コンコン・・・コンコン ドアがノックされた。 キャー!・・・ 三人が悲鳴をあげた。 「どうした! なにがあった!」 その声を聞いて、三人安心した。 「せんせーい! 脅かさないで下さい」 久美は、ドアを開けた。 懐中電灯を持った、担任の先生が立っていた。 「どうした。悲鳴がしたと連絡あって来てみた。なんかあったのか?」 「変な物を見たんです。それで、ビックリして」 美優が慌てて話した。 「そうか、いろんな事があったからな。気が滅入ってるのかもな」 「先生達のバンガローに来るか?」 三人は、先生達のバンガローに移動する事にした。
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