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その時、真宏は背後から憐光に抱き締められ掴んでいた皿を床に落とし割れた。
『やめてください』
真宏は憐光を突き飛ばし離れた。
『昨日、あなたを抱いて帰るとき偶然留守電を聞いたんです…あなたが…酔ったおじさんに乱暴…』
『やめてください』
真宏は両手で両耳を塞ぎながらうつ向いた。
憐光は真宏を抱き寄せ唇にキスをした。
『ごちそうさまでした』
真宏は憐光から逃れ家を出て行き自分の家に戻った。
憐光は仕事に行くため家を出ると1階の3部屋の住人男3人が近づいてきた。
『話がある』
男3人は憐光と一緒に家の中に入った。
『何なんですか、いきなり』
『真宏さんに近づくな』
『はぁ?…何ですか、初対面の人間に向かって…』
『真宏さんを悲しませる奴は俺たちが許さない…いいな真宏さんに近づくなよ』
ナイフを憐光に突きつけながら男が言った。
『断る…今から仕事に行かなくちゃいけないんだ』
憐光は3人の男を連れて家を出るとその場から離れていった。
ー1階の真ん中の部屋ー
『橋本さん、厄介な奴が引っ越してきましたね』
『すぐに追い出すさ』
橋本は真宏の写真を見つめながら口にした。『夏目さん、佐々木さん、今夜、彼をここに呼び愛し合わないか』『いいねぇ』
『時間は?』
佐々木が尋ねた。
『仕事、何時ごろ終わります…俺は8時だけど…』
橋本が言うと佐々木も夏目もそのくらいだと答えた。
ー真宏の家ー
真宏は携帯を開き店長に電話をかけソファーに座った。
『もしもし斉藤ですけど』
『真宏君?どうしたの急に』
『1週間ほど休ませてもらえないでしょうか、忙しいのはわかってるんですが…』
『理由は言えないの?』
『すみません、言いたくありません』
『わがままは1回だけだよ』
『ありがとうございます』
真宏は携帯の電話を切りソファーから立ち上がると家の電話かられんの母親に電話をかけ話があるから家に来るように言った。
ー店長の家、寝室ー
『1週間も休むなんていけないな、許したけどやっぱりお仕置きがいるな』
店長は壁一面に貼られた真宏の写真を見つめながら言った。
店長は知り合いの探偵に電話をかけた。
『もしもし沢村だけどお前に調べてもらいたい男がいるんだ、名前と顔写真はメールを送る』
『わかった』
『何かわかったら電話をくれ』
『あぁ』
『頼むな』
沢村は名前と真宏の顔写真を携帯のメールで探偵に送った。
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