忘れられない人

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沢村は真宏にまたがり『殴られたくなかったらおとなしくしろ』と言って沢村は真宏の体を抱いた。 真宏は顔をそむけ涙を流した。 『…助けて…誰か…』 沢村に抱かれながら真宏は心の中で祈り気を失った。 『……』 沢村は真宏を抱きながら指輪に目をとめその指輪をはずし投げ捨てた。 指輪は転がり壁に当たるとれんの幽霊が現れた。 『俺じゃ助けられない』 れんの幽霊は指輪を持って憐光の元に向かった。 その頃、憐光はコンビニでレジの仕事をしていた。 『いらっしゃいませ…520円になります…ありがとうございました』 憐光は品物を袋に入れ客に渡した。 『杉田さん、品物を棚に並べてくれる』 『はい』 憐光はレジを店員に任せ品物を棚に並べる仕事を始めた。 棚に品物を並べていた憐光の前に指輪が落ちてきた。 『指輪?』 指輪を拾い上げた憐光の前にれんの幽霊が現れた。 『真宏を助けてくれないか』 『助けろってあなたは…もしかして』 『今、真宏を救えるのは君しかいない…頼む真宏を悲しませないでくれ』 れんの幽霊はその場から消えた。 憐光は指輪を持って真宏の家に向かった。 そして憐光はドアノブを掴み開いた。 『真宏さん!』 憐光は沢村の体を掴み真宏から離れさせた。 憐光は真宏の体を支えながら起こし『真宏さん…真宏さん…』と呼び続けた。 目を覚ました真宏は憐光の顔を見つめながら『杉田…さん…』と言ってまた目を閉じた。 沢村はナイフを掴み憐光に突きつけながら『真宏君から離れろ』と言った。 憐光は真宏を抱きかかえソファーにおろすとズボンのポケットから指輪を取りだした。 すると憐光の前にれんの幽霊が現れた。 『誰もがこの指輪に触れればあんたが見えるのか』 『わからない』 『そうか…触ってみろよ』 憐光は指輪を沢村に投げた。 沢村は指輪を拾い上げたその時、沢村はれんの幽霊が見えた。 『お前…』 『お前は2度も真宏を悲しませた、許せない』 怒りが爆発したれんの幽霊はパワーを使って沢村を吹き飛ばした。 『うあああ…』 沢村は壁にぶつかり指輪を手から離すと倒れた。 力を使いすぎたれんの幽霊は膝をつき消えかけた。 沢村は恐ろしくなり真宏の家から出ていった。 『大丈夫か…』 れんの姿が見えない憐光は叫んだ。 れんは力を使い指輪を宙に浮かせた。 憐光は指輪に築き指輪に近づくと指輪を掴んだ。 『おい!大丈夫か』 憐光は消えかけているれんに近づいた。
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