忘れられない人

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『真宏はお前に惹かれかけてる、俺に似てるからじゃない本気で惹かれかけてる…頼めるか…俺の代わりに真宏を幸せにしてやってくれ…新しい恋をさせてやってくれ…』 『あんたに許可をもらえて嬉しいよ、初めて真宏さんに会ったとき心臓がドキドキしたんだ…いつか告白をしようと思ってた』 『そうか…これで成仏が出来る』 れんの幽霊は真宏に近づき頬に触れると唇にキスをし微笑みながら消えていった。 憐光は消えていくれんの姿を黙って見送った。 そして憐光は真宏に近づき指輪を真宏の左手の薬指にはめた。 『……』 憐光は椅子に座って真宏が目を覚ますのを見守った。 ー3時間後ー 目を覚ました真宏はゆっくりと体を起こしまわりを見渡した、そして椅子に座って眠っている憐光に目を向けた。 『……』 真宏はソファーから立ち上がり憐光に近づいた。 『…杉田さん…』 真宏は眠っている憐光の体を揺らした。 『うう…ん…真宏さん』 目を覚ました憐光は椅子から立ち上がり真宏の引き裂かれた服を見て憐光は服を脱ぎ真宏に着せた。 『杉田さんが助けてくれたんでしょ、ありがとうございます』 『痛かったでしょ』 憐光は痣になっている真宏の頬に優しく触れた。 『大丈夫です』 真宏は顔をそむけ背を向けた。 『風呂に入って休んでください、それから何かあったら呼んでください』 憐光は玄関に向かった。 真宏は憐光の腕を掴み足を止めた。 『側にいてください』 『俺が側にいて良いんですか?』 『杉田さんにいてほしいんです』 『真宏さん』 憐光は振り返り真宏を抱きしめた。 真宏は憐光に抱きしめられながら目を閉じた。 『真宏さん、俺はあなたが好きです』 憐光の告白に真宏は目を開け口にした。 『俺もあなたが好きです』 『え!』 驚いた憐光は真宏の両肩を掴み顔を見つめた。 『風呂に入って来ます』 真宏は憐光から離れ浴室に向かった。 憐光はソファーに座った。 『真宏さんが俺のことを…』 ドキドキが治まらない憐光はソファーから立ち上がり浴室に向かった。 ー浴室ー 真宏は髪と体を洗いシャワーを浴びると風呂に入った。 真宏は左手の薬指の指輪を見つめた。 『れん…好きな人が出来ちゃった…』 口にしたその時、ガラスドアの前に憐光が立っていた。 『俺も良いですか?』 『どうぞ』 『……』 ドアを開き裸姿の憐光が入ってくると真宏は場所を開けた。 そして憐光は風呂の中に入った。
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