忘れられない人

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我慢できない憐光は真宏を立たせ壁に向かせると両手を壁につかせ憐光は後ろから体を重ねた。 『ん…ああ…』 『真宏さん』 『杉田…さん…』 『憐光って呼んでください』 憐光は真宏を振り向かせ唇にキスをした。 そして真宏と憐光は浴室から裸のままベットに上がり再び体を重ねた。 『ああ…』 真宏は憐光の背中に両手をまわし快楽に溺れた。 そして真宏と憐光は寄り添いながら布団を体にかけ眠った。 ー次の日の朝7時ー 先に目を覚ました憐光は枕を背に体を起こした。 『……』 憐光は真宏の寝顔を見つめ頬に触れると唇にキスをした。 『ん…はぁ…』 真宏は目を開け手を伸ばすと憐光の頬に触れた。 『真宏さん』 『今日、れんの墓参りに行ってくる…好きな人が出来たこと知らせなくちゃ、許してくれるよね』 『許してくれるよ』 『気を付けてくださいね』 『今から仕事でしょ、行ってらっしゃい』 『行ってきます』 憐光と真宏は口づけを交わした。 憐光は自分の家に戻り着替えると仕事に出掛けていった。 そして真宏も白い服とズボンを着て用意をすると出掛けていった。 真宏は途中で花屋に寄り花を買うとタクシーに乗り込みれんが眠るお墓に向かった。 それから1時間後、お墓の近くに着いた真宏は花を持ってタクシーをおりた。 『すぐ戻りますから待っててください』 『わかりました』 『……』 真宏は花を持って道を歩いた。 れんの墓の前に着くと真宏は花を供え手を合わせた。 『れん怒るなよ、俺…好きな人が出来たんだ、その人お前に似てるんだ…』 『安心して成仏できるよ』 『…え…』 驚いた真宏は顔をあげた。 『真宏…』 『……』 れんの幽霊が見えることに真宏は言葉を失った。 『俺の指輪、その人にあげてくれ』 れんは指輪を真宏に握らせた。 『れん…幽霊でも会えて良かった』 真宏は指輪を握りしめながら涙を流した。 れんは手を伸ばし真宏が流す涙を拭うと唇にキスをし抱き寄せた。 『俺はいつでもお前の側にいる、真宏…幸せになれよ…愛してる真宏…』 れんは消えていった。 『俺も…愛してる…』 真宏は涙を流しながら墓を見つめた。 待っているタクシーに駆け寄り乗り込むとれんの家に向かった。 それから30分後、タクシーはれんの家の前に止まりお金を支払うと真宏はタクシーをおりた。 真宏はドアに近づきインターホンを鳴らした。 『はい』 中から声がするとドアが開きれんの母親が現れた。 真宏は話があると言って中に入ると靴を脱ぎ上がった。
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