忘れられない人

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『おじさんは?』 『仕事に行ってる』 『おじさんが俺にしたこと忘れるから、そのかわり俺に会いに来ないでほしい…好きな人がいるんだ…』 『その人に知られたくないから…真宏君、わかった会いに行かないし連絡もしない…幸せになってね』 れんの母親は真宏を抱きしめた。 『おばさん、さっき墓に行ってきました…そこでれんに伝えました好きな人が出来たってそしたられんが幸せになれって…』 真宏は涙を流した。 れんの母親は真宏の顔を見つめ『れんの分までその人と幸せになってね』と涙を流しながら言った。 真宏は涙を拭い笑みを浮かべながら頷いた。 その後、真宏は実家に寄り父親と母親に好きな人が出来たと伝えた。 『良かった…お母さんもお父さんも心配してたのよ』 『来週の日曜日に連れてくるから、2人ともちゃんと会ってよ』 『わかった…それよりご飯食べていくだろ』と言いながら父親は冷蔵庫からビールを2個出した。 『ごめん、用事があるから帰るね』 真宏は玄関に行きドアを開くと出ていった。 がっかりの父親はビールを持ってソファーに座るとテレビを見ながらビールを飲み始めた。 そんな夫の姿を見て真宏の母親は笑いをこらえた。 道を歩きながら真宏は携帯を開き憐光にかけた。 『もしもし憐光さん、まだ仕事中ですか?』 『今から帰るところですよ』 『憐光さん自分の家に居てください、スーパーに寄って食べ物を買っていきますから』 『わかりました』 『何か欲しいものありますか?』 『真宏さんに任せます』 『わかりました』 電話を切ると真宏は走ってスーパーに向かった。 それから10分後、スーパーに着いた真宏は中に入り魚、野菜、豚肉をかごの中に入れレジに向かった。 『2580円になります』 『はい』 真宏はお金を店員に支払った。 そして真宏はかごの中に入っている魚、野菜、豚肉を袋の中に入れその袋を持って店を出ていった。 ー憐光の家ー 憐光はソファーに座ってテレビを見ていた。 『……』 ガタンと音がし憐光は玄関に目線を向けた。 『真宏さん』 『お腹空いたでしょ、すぐ作るから』 真宏は袋をテーブルの上に置き魚、野菜、豚肉を出した。 『手伝います』 憐光はテレビを消しソファーから立ち上がると真宏に近づいた。 『野菜を切ってくれる』 『はい』 憐光は包丁を掴みキャベツ、椎茸、玉ねぎを切り始めた。 真宏はフライパンで味噌の鯖煮を作り始めた。
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