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『自分の名前もわからない、何で服が引き裂かれているのか理由を聞いてもわからないって言うんです…今から脳の検査をしますから今日は病院に泊まっていただきます』
『はい』
『検査によってもしかしたら入院してもらうかもしれません』
『よろしくお願いします』
先生に頭を下げると憐光は診察室を出ていき椅子に座った。
その後、看護婦に連れられて真宏は脳の検査に向かった。
そして真宏は脳のレントゲンを撮るため部屋の中に入りドアが閉まった瞬間、乱暴された光景が蘇り叫んだ。
『大丈夫ですか…』
担当の男性は真宏を落ち着かせるため真宏の体に触れた。
『嫌…離して…嫌…』
真宏は担当の男性に触れられる度に嫌な光景が蘇り涙を流しながら叫んだ。
『どうした』
もう1人男性が現れると真宏は泣き叫び担当の男性に倒れた。
『先生を呼んできて』
担当の男性は真宏を支えたままもう1人の男性に言った。
『はい』
男性は急いで先生を呼びに行った。
担当の男性は真宏を抱きかかえ診察の台に仰向けでおろした。
『……』
真宏の引き裂かれた服を見て担当の男性はタオルをのせた。
しばらくして助手が先生を連れて戻ってきた。
『どうしたんだ』
『先生、突然、騒ぎ出して…今は気を失って眠ってます…何か嫌なことでも有ったんじゃないでしょうか…』
『今日は診察無理か』
『先生、彼は俺に任せてください…連れはいますか?』
『わかった、あとは頼むよ二宮君』
先生はレントゲン室を出ていった。
『佐藤君、彼の連れを呼んできてくれるか』
『わかりました』
佐藤はレントゲン室を出ていった。
二宮はなぜか真宏に惹き付けられた。
『……』
二宮は真宏の唇にキスをしようと顔を近づけようとしたその時、佐藤が憐光を連れてきた。
二宮は慌てて真宏から離れた。
『彼の連れの方ですか』
『恋人です』
『恋人…そうですか…まず彼を特別室に運ばないと…佐藤君、ここはいいから』
『お疲れさまでした』
佐藤はレントゲン室を出ていった。
『今から彼を特別室に運びます』
二宮は真宏を抱きかかえたまま憐光と共に特別室に向かっていった。
ー特別室ー
二宮は真宏をベットに仰向けでおろし布団をかけた。
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