忘れられない人

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仲が良い真宏とれんを見て店員はれんの耳元で『この前、言ってた幼い頃から好きな奴がいるって彼だろ』と囁いた。 れんは頷き店員から買った服が入った袋を受けとると真宏を連れて店を出ていった。 『はい』 れんは袋を真宏に差し出した。 『ありがとう、あとでお金払うから』 真宏は袋を受け取った。 『俺が買ってやりたいと思って買ったんだ、お金なんて要らない…お腹空いたからラーメンでも食べに行くか』 『ラーメン屋では俺が払う』 『わかった』 れんと真宏はラーメン屋に行くため歩き始めた。 店から歩いて10分後、真宏とれんはラーメン屋を見つけた。 『ここにするか』 『うん』 真宏とれんは荷物を持って店の中に入っていった。 真宏とれんは広い席に向かい合って椅子に座り荷物を横に置いた。 店員が近づいてくると真宏とれんはメニューを見た。 『俺は味噌ラーメン、れんは』 『俺は…醤油ラーメン』 『かしこまりました』 店員は離れていった。 ラーメンが来るまで真宏とれんはこれからの話を始めた。 『高校卒業したらバイト始めて2人で暮らせるほどのお金がたまったら家を出て一緒に暮らそう』 れんは真剣な顔で言った。 『あぁ…頑張ってお金をためような』 真宏はれんの手に触れようと手を伸ばしたその時、店員が味噌ラーメンと醤油ラーメンを運んできた。 『味噌ラーメンと醤油ラーメンです』 店員は味噌ラーメンを真宏の前に置き醤油ラーメンをれんの前に置いてその場を離れた。 『美味しそうだな、食べよう』 真宏は割り箸を2本とりれんに1本渡した。 『いただきます』 真宏とれんはラーメンを食べ始めた。 それから30分後、ラーメンを食べ終えた真宏とれんは荷物を持ってレジに行った。 『1120円になります』 『はい』 真宏はお金を店員に支払った。 『ちょうどですね、ありがとうございました』 真宏とれんはラーメン屋を出ていった。 『家に来ないか』 『寄るところがあるからお前は先に帰ってろ、荷物を置いたらお前の家に行くよ』 『わかった』 真宏はラーメン屋の前でれんと別れ荷物を持って歩いていった。 れんは荷物を持ってアクセサリーショップに急いで向かった。 帰りながら真宏はまさかれんとの最後の別れになるとはこの時、思わなかった。 ー真宏の家ー ラーメン屋でれんと別れて2時間がたち真宏は心配していた。 『遅いなぁ、何かあったのかな』 『ただいま』 母親が仕事から買い物袋を持って帰ってきた。 『れんの家に行ってくる』 真宏は玄関に行きドアを開こうとしたその時、電話が鳴った。
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