忘れられない人

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そしてその手紙を読み真宏は涙を流した。 『寄るところがあるって言ってたのはこれを取りに行くためだったんだ…おばさん、結婚式をあげられない代わりに指輪で夫婦になろって…』 『れんの指輪は仏壇にあげてあるわ』 『…おばさん、今度の休みに家に行っても良いですか?れんに指輪を見せたいから』 『れんも喜ぶわ』 『……』 真宏は指輪を左手の薬指にはめた。 『お待たせしました、珈琲とカツサンドです』 店員は珈琲とカツサンドをれんの母親と真宏の前に置きその場を離れた。 『ここのカツサンド美味しいんですよ』 真宏は涙を拭いカツサンドを食べ珈琲を飲んだ。 『いただきます』 れんの母親もカツサンドを食べ始めた。 それから30分後、食事を終えた真宏とれんの母親は椅子から立ち上がりレジに向かった。 『俺が払います、いくらですか』 『2人でちょうど1000円になります』 『はい』 真宏は店員に1000円を支払った。 『ありがとうございました』 真宏とれんの母親は店を出ていった。 『真宏君、待ってるからね』 『必ず行きます』 真宏はれんの母親と別れ仕事場の喫茶店に戻っていった。 ー真宏が働く喫茶店ー 『店長、遅くなってすみません』 『今日はお客さん少ないから大丈夫だよ』 『すみません……いらっしゃいませ』 真宏は仕事を始めた。 ー夜7時、喫茶店閉店ー 真宏が皿やコップを洗い片付けていると店長が近づいてきた。 『真宏君、あとは俺がするから帰りなさい』 『お疲れさまでした…店長…』 『何だ』 『明日、休ませてもらいたいんですが…駄目ですよね』 『今までだって1人でやってきたんだ、1日ぐらいなら許すよ』 『ありがとうございます…お疲れさまでした』 真宏は店長に頭を下げ店を出ていった。 そして真宏はスーパーに寄りご飯の材料を買うと家に帰った。 ーアパート2階、真ん中の家ー 真宏は鍵を開けドアを開くと荷物を持って中に入りドアを閉めると部屋の電気をつけた。 真宏は先にご飯を食べるためキッチンに行き料理を始めた。 それから30分後、焼き魚と玉子焼きが出来上がり皿に盛るとテーブルに運んだ。 そして茶碗にご飯を入れ椅子に座ると食べ始めた。 それから1時間後、食事を終えた真宏は浴室に行きシャワーを浴びるとパジャマに着替え寝室に行った。 そして真宏はベットで仰向けになり眠りについた。 ー土曜日、朝7時ー 目を覚ました真宏は体を起こしベットからおりるとれんが買った普段着に着替えた。
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