忘れられない人

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その時、インターホンが鳴った。 真宏はタオルを頭にのせたまま玄関に行きドアを開いた。 『…れん…』 真宏は目の前にいる憐光の顔を見て小声で名前を口にした。 『ドアごしで泣いてるのを聞いて、何か気になっちゃって…何か悩みがあるなら…』 憐光は見つめてくる真宏を見て頬を赤らめた。 真宏は涙を流しれんに似ている憐光に抱きついた。 『れん…』 『……何かあったんですか…』 憐光は真宏の背中に両手をまわし落ち着くまで抱き締めた。 『…ごめんなさい!…』 真宏は慌てて憐光から離れた。 『何かあったんですか?…泣いてたことと関係があるんですか』 『何でもないんです、すみません』 真宏はドアノブを掴み閉めようとしたその時、憐光に押され中に入られた。 『何かあったんでしょ?俺で良かったら側にいるよ』 憐光は玄関で真宏の唇にキスをした。 『……』 真宏は憐光の優しい口づけを受け入れた。 そして真宏と憐光はベットに行き体を重ねた。 『ん…あ…れん…』 真宏は憐光の背中に両手をまわし体を重ねた。 憐光は真宏を抱きながら机の上に置いてある写真たてを見て憐光は真宏を激しく抱いた。 そして真宏は気を失い電話が鳴った。 『……』 憐光はベットからおり電話に近づくと留守電を聞いた。 そしてなぜ真宏が泣いていたのか事実を知った。 憐光は眠っている真宏を起こさないように家を出て自分の家に戻った。 ベットで眠っている真宏は次の日の朝7時までぐっすり眠った。 『うう~ん…』 目を覚ました真宏は体を起こし写真たてを掴み写真を見つめた。 真宏はれんを見つめながら涙を流した。 その頃、憐光は出来上がった2人分の料理を皿に盛りテーブルに並べた。 そして憐光は隣の家に向かいインターホンを鳴らした。 真宏は涙を拭いベットからおりると玄関に向かいドアを開いた。 『……』 『たくさん作ったからご飯一緒に食べませんか?…1人で食べても寂しいから』 憐光は真宏の手を掴み家に連れていった。 憐光は真宏を椅子に座らせ箸を持たせた。 『昨日の事なんですが…』 『話は食事が終わってからにしましょう』 憐光は向かい合って座りご飯を食べ始めた。 真宏は『いただきます』と小声で言って食事を始めた。 それからしばらくして食事を終えた真宏はお皿をキッチンに運び洗い始めた。 『あとで俺が洗いますから』 『自分が使った皿だけでも洗います』 真宏は皿を洗いながら言った。
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