第1章…入春と四季

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ようやく授業が終わり皆帰る準備をしだす。 頼む僕も一緒に連れて行ってくれと心の中で願いさりげなく胸の前で祈ってみるが、状況が変わるはずもない。 頭を垂らし項垂れていると右肩に軽い衝撃が来た。 後ろを振り向くと黒髪の男が親指を立てた状態でこちらを見ていた。 普通の人から見ればカッコいいと思う容姿と声をしているにも関わらず、今の僕にはただのイラつく奴にしか見えない。 (なに?) 「鼻殴って顔面崩壊させたい」 「おい、台詞逆逆」 彼は少し笑いながら僕の肩を叩いた。 そしてポケットから何かを取り出し小さい何かを手のひらに乗せて来た。 「ほら飴でもやるから元気出して逝って来いよ」 正直こいつに飴をぶつけてしまいたかったが、飴に罪はない素直に貰っておくことにしよう。 ところでいつも思うのだが味覚はどうなっているんだ?グバァ味の飴なんてどこで売っているんだ。 「君飴だけのために来たの?」 「ああ」 あぁ殴りたい。なんだこいつは僕をイライラさせる天才か。 そんな視線に気が付いたのか彼は少し悩み胸ポケットから名刺サイズの紙を取り出した。 「怒んなってお詫びにこれやるよ」 どうやら本当に名刺だったようだ。 彼はそれを僕に渡すと彼は呼ばれてた時間とっくに過ぎてるぞと言い残し帰って行った。 …何で今になっていうんだ。
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