第1章…入春と四季

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取り敢えず先に墨を垂らしてしまうと見えなくなってしまうので、あぶり出しからやってみる。火をつけ名刺の端っこを持って軽く振ってみる…が何の反応もない。 そりゃそうかと思いながらも少し残念な気分になった。 火を止めて名刺の熱を冷ますように振ると裏面に黒いものが見えた。焦げたのかと見てみると先程までは確かに無かったものがあった。 「嘘でしょ」 驚きコンロに落としてしまった紙を拾った。 周りの鉄に手が当たって少し熱かったが、今はそれよりも内容が気になった。 というか今どきあぶり出しなんて使う人いるんだ…と思いながら文字を口にしてみた。 「叶屋…青い鳥…貴方の願いを叶えます。詳しくはこちらまでお電話を…ってどうせアダルトかなんかでしょ」 名刺を再び制服のポケットに入れ直しソファーに寝転んだ。それから課題やってないなと思いながらも意識は暗闇に落ちて行った。 次に目を覚ました時は別段トリップしました。とか目の前に美女がいた訳でもなくいつもと変わらなかった。 「今日の目標、アイツに一発入れること」 愛猫に餌をやり速攻風呂に入り学校に向かった。歩いていて今更気づいたのだが…課題忘れた。
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