第1章ポルターガイスト

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ベースの準備が終わるとちょうど館の中を視て回っていた彰子と真子が戻ってきた。 疲れの色が顔に出ており、所々に赤い血がついている。 見たところ怪我はない。 だとすると……。 「もしかして、沢山出てきた?」 首を傾げながら真子と彰子を見る。 「沢山なんてそんなレベルの話じゃないわ」 「そうだよ。もう視るのも嫌になるくらいうじゃうじゃわいてくるんだよ」 「うわ…最悪だなここ」 二人のぐったり具合を見て嫌そうに顔を歪める。 「取り敢えず、あいつらが戻り次第作戦を考えるしかねえな」 「そうね、李樹達が情報を持って来ない限り動けないものね」 お互いに頷きあうとベースのソファーへと腰を掛ける。 (何故だろう…俺には考えるのが面倒くさくなってくつろいでいるようにしか見えない) ぐるりとベースを見渡した後溜め息をつくと自分の鞄の中に入っている書類へと手を伸ばした。
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