三度目の恋に触れる髪

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「だけどそのすぐ後に切ってきて…」 「……っ!!」 「結構長かったのが突然バッサリだったから強烈だったつーか。それからはずっと伸ばしてないんだな」 「……」 上手い返答が見つからない。 何動揺してんだ私。 頼む、それ以上えぐってくれるな――。 号令が掛かった。 次の店が決まったらしく、二次会に向かうメンバーへの合図だ。 チャンスとばかりに私はくるりと背を向けた。 「ごめん。帰る」 「…えっ、牧原!? おい!!」 気が付いたら一気に走り出していて、上司や他の皆に挨拶し忘れた後悔がよぎる。 だけどもう戻りたくない。 あれ以上あの場に居続けたら、私は、私はきっと――。 「待てって!!」 駆け足も束の間、聞き覚えのありすぎる声と共にぱしりと腕を取られた。
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