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「だけどそのすぐ後に切ってきて…」
「……っ!!」
「結構長かったのが突然バッサリだったから強烈だったつーか。それからはずっと伸ばしてないんだな」
「……」
上手い返答が見つからない。
何動揺してんだ私。
頼む、それ以上えぐってくれるな――。
号令が掛かった。
次の店が決まったらしく、二次会に向かうメンバーへの合図だ。
チャンスとばかりに私はくるりと背を向けた。
「ごめん。帰る」
「…えっ、牧原!? おい!!」
気が付いたら一気に走り出していて、上司や他の皆に挨拶し忘れた後悔がよぎる。
だけどもう戻りたくない。
あれ以上あの場に居続けたら、私は、私はきっと――。
「待てって!!」
駆け足も束の間、聞き覚えのありすぎる声と共にぱしりと腕を取られた。
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