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「大丈夫か」
頷きながらようやく瞼を開いた。
と、映った地面に不意にペットボトルが飛び込んだ。
「それ、開けてねぇから」
差し出されたのはよく市販されているミネラルウォーターで、いつも呑む前に買って鞄に忍ばせている物だと洋野が言う。
「…ありがと…」
素直に受け取って一口飲む。
喉をつうっと通り抜ける冷たさが不快感を払拭してくれるみたいだ。
「立てるか」
「…平気」
一瞬洋野が手を差し出してくれたような気がしたけれど、それには甘えずに自分で立った。
洋野は安堵したような表情を浮かべ、そしてもう一度私に向き直った。
「…悪かったな。その、気に障るような事言ってたっぽくて。俺全然そういうのに疎くて…」
「本当。洋野って時々発言にデリカシー無いよね」
「……」
「嘘。水ありがとね。大丈夫かって気に掛けてくれて嬉しかった。
あと『ほっとけない』って言われたのもちょっと、嬉しかった、かも」
「牧原…」
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