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押し倒された椅子を持ち上げ
再び、座り直した。
手錠されてたからやりにくかったな。
?
夕闇、遅いな…
そう思った頃
夕闇が戻って来た。
ペットボトルの水で
もう開けられていた。
夕闇「ほら、水しかお前の飲めそうなものがなくてな。」
「…ありがと。」
俺は差し出されたペットボトル飲料を受け取った。
そして持ったまま、夕闇が車を出すのを待った。
けど
車は発進しない。
「夕闇?」
夕闇「水、飲まないのか?」
「え?あ、まだ喉乾いてない。」
さっき
レストランで水なら飲んだし。
夕闇「一口くらい飲んだらどうだ?」
「え?」
変な言い方だったけど
これを
飲まなきゃきっと車を出す気はないのだろうと思い
蓋を開けて
ゴクゴク
と
水を飲んだ。
すると
予想通り、車は発進された。
暫くして普段
来るはずのない眠気に襲われた。
「ゆ…夕闇…やっぱり、俺、もう、帰る。
眠い…」
夕闇「家に送るから寝てもいいぞ。」
「!一人で、帰る…手錠、外して?」
なんだかんだいって
はずしてもらってないんだよね。
夕闇「今は運転中だ。無理だ。」
その声が遠くに聞こえて…俺は眠気と戦いながら
俺の家に着くのを待っていた。
「ゆ…ぅや…ねむ、い…まだ?」
夕闇「もう少しだ…あと少しで…」
それから先は聞こえなかった。
俺は意識を手放したんだ。
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