第1章

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押し倒された椅子を持ち上げ 再び、座り直した。 手錠されてたからやりにくかったな。 ? 夕闇、遅いな… そう思った頃 夕闇が戻って来た。 ペットボトルの水で もう開けられていた。 夕闇「ほら、水しかお前の飲めそうなものがなくてな。」 「…ありがと。」 俺は差し出されたペットボトル飲料を受け取った。 そして持ったまま、夕闇が車を出すのを待った。 けど 車は発進しない。 「夕闇?」 夕闇「水、飲まないのか?」 「え?あ、まだ喉乾いてない。」 さっき レストランで水なら飲んだし。 夕闇「一口くらい飲んだらどうだ?」 「え?」 変な言い方だったけど これを 飲まなきゃきっと車を出す気はないのだろうと思い 蓋を開けて ゴクゴク と 水を飲んだ。 すると 予想通り、車は発進された。 暫くして普段 来るはずのない眠気に襲われた。 「ゆ…夕闇…やっぱり、俺、もう、帰る。 眠い…」 夕闇「家に送るから寝てもいいぞ。」 「!一人で、帰る…手錠、外して?」 なんだかんだいって はずしてもらってないんだよね。 夕闇「今は運転中だ。無理だ。」 その声が遠くに聞こえて…俺は眠気と戦いながら 俺の家に着くのを待っていた。 「ゆ…ぅや…ねむ、い…まだ?」 夕闇「もう少しだ…あと少しで…」 それから先は聞こえなかった。 俺は意識を手放したんだ。
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