第2章

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翌日 …翌日、なのか? 彼奴が出て行ったから、翌日の四時半なんだろう。 「腹減った、眠い。」 結局眠れなかった。 ガチャガチャ 動いても 解けない。 …風呂に…入りたい。 喉が渇いた…腹が減った… た…フフッ…助けて、なんて言ったって 誰も 助けになんか、来ない。 だって 俺は、要らないから。 あの女も言ってたなぁ… 俺は、強姦されて出来た子供だって。 産みたくなかったけど 脅されて、仕方なく産んだって。 それで 挙句の果て 俺の本当の父親、あの女を強姦して、孕ませた男は 別の女を作って、蒸発…ククッ… 望まれたわけじゃない 愛し合ったわけじゃない 間違いで産まれた子供…。 それが、俺なんだからな。 要らない、間違い、そんな俺を 誰が…愛してくれるんだ? いや、もう、愛なんて、いらないや。 だって 監禁が、セックスが愛なんだろ? 「こんなの…いらないよ…」 なんで? 涙が止まらないんだ? 「……ゃ…だ…やだ…ぃやだ…要らなくても…間違いでも 愛されたいよ、ひとりぼっちは、もう、やだよ…」 寂しい…前よりずっと…彼奴にさえ 会わなければ…温もりを 知らなければ…よかったのに…。
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