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何時間、泣いていただろう。
別にいいよね。
誰も、俺のことなんて、見てないんだから。
だって、目的は
俺の身体だろ?
涙を拭うことも出来ないなんて、情けねぇよね。
ん?
明かり…もう、帰って来たのか。
夕闇「ただいま…っ!」
彼奴は、部屋に入ってきて
明かりをつけ
俺を見て
驚いていた。
夕闇「り、龍牙?
大丈夫か?」
俺は、顔を逸らす。
気休めの言葉なんて、いらない。
彼奴は、俺の頬に触れた。
冷たかった、彼奴の手。
夕闇「…そんなに、極限になっていたとはな。
やはり、六日、飲まず食わずは、いけなかったか。」
「六日?」
あれ?
俺が誘拐されたのって…いつだ?
首を傾げる。
「…二日か、三日かと思ってた。」
夕闇「…お前がここにきて、もう六日だ。
あの水を飲んだお前は、何日か眠っていた。
まぁ、風呂に入れるため
追加で打ったのも事実だが…
取り敢えず、飲食物を買ってきたから
飲んで食え。」
そう言って、彼奴は、スポーツドリンクと弁当を取り出した。
鎖が解かれ足の鎖も解かれた。
「あんたさ、俺が今、逃げたら
どーすんの?」
こんなんじゃ、逃げられちゃうよ?
夕闇「!…逃げる気力があるのか?」
ねぇんだよね。
正直言えば、座ることがやっとだ。
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