第2章

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目眩がして、ボーッとする。 夕闇「飲め。」 ドリンクを手渡しされ 持ったつもりが…落とした。 夕闇「…衰弱しているな。 弁当は、キツイか。 なにか、食べたいものは、あるか?」 「…気まぐれで、優しく…すんの、やめてくんない?」 夕闇「!…何故、お前は、泣いている?」 泣いている、俺の頭を彼奴は、撫でた。 それが、妙に落ち着いて 心地良かった。 頭を撫でられるなんて、初めてだった。 それで 忘れたかった、幼少期を思い出したんだ。 「…子供が、良い事をしたら 撫でられてた。 だから 幼い時、撫でて欲しくて いじめっ子に立ち向かったり 勉強、いっぱいやって 通信簿、オール五とったりしたけど 誰も…褒めて、くれなかった… 誰も、いい子だねって、撫でて、くれなかったんだ… でも、頑張ればきっとって、頑張ったけど…頑張ったけどっ! 誰もっ見ってっくれ、なくてっ…なんでってなんっでって…」 嗚咽が漏れ、溢れる涙は、止まらなくて 拭ったりしてたら 喋れなかった… …人前で泣いたことなんて、なくて…すげぇカッコ悪い…ね。 夕闇「もういい。 わかったから…お前は、龍牙は、良い子だ。 偉いぞ。 よく、頑張ったな…もう、頑張らなくて、いいから。 素直になれ。」 そんな俺を 彼奴は…抱き締めてくれた、抱き締めて 頭を撫でてくれた。 褒めて、くれたんだ。 「ゆっ…ゅぅ、やぁっ…夕闇っ夕闇ぁっ夕闇ぁ!!」 俺は、彼奴の、夕闇の腕の中で ジタバタして 泣いてたんだ。 なんで、俺なんかに…優しくするんだよ… 「俺は…要らなくて…間違って 産まれてきてっ、生きてちゃダメなんだ… でも、死ねなくて…それが、辛くてっ… 存在理由が欲しくて…色んなの、やったけど… 誰も…俺を…見て…くれないんだっ、っ…」 夕闇は、俺に、キスをした。 夕闇「俺が…お前の存在理由をくれてやる。 俺がいつも、お前を見てやる。 だから 生きろ。」
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