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稲妻が轟くある秋雨の日。人里離れた山中にその怪しい奇妙な屋敷が建っている。
それを屋敷と言って良ければだが。
いや、むしろ西洋の古城を真似損なった建物と云う方が正しい。
その建物の中で人が倒れている。
そして、その部屋に居たのは二人だけ。
大きな机に突っ伏して倒れている太った該・刻刃と、その事に驚いていない、筑紫のあと云う人物だけだった。
ふと、筑紫のあが顔色を変えた。
そこまで確認して屋敷中を制御可能な隠し部屋からトイレに戻った俺は、インターネットに潜った。
インターネットで販売しているデータが、この俺の仕事だ。
もちろん、真っ当な代物ではない。際物だからこそ、利益がある。
違法性が怪しいブツを扱うのが彼岸屋の商売だった。この彼岸屋の一番儲かる裏技は、イベント的に開催する。怪しい品揃えは、『流石は彼岸屋』と言われる程だ。
だから今日も昨日と同じ時刻に開催した。
何が起ころうと。
誰が死のうと。
あの方の為なら。
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