第1章

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 該・刻刃の様態が少し安定すると、這・高欄看護師も控えの間に下がった。但し、下がる時に俺と視線を絡めて来た。  筑紫のあ探偵と、助手の依代助手も控えの間に下がった。  誰もいない寝室で該・刻刃は眠っている。  俺も自分の部屋から階段横のミラーをスライドさせて、トイレ裏を地下室へ降りた。  もちろん、ステップはきちんと回収済みだ。  凶器のアレもそろそろ溶けているだろう。  地下室と言っても元は核シェルターだ。外からは、絶対開かない。完全な密室だ。  俺のように自殺すれば別だが。  今から行くぞ。 と、弟の該・螺旋が居るだろう大いなる種族の身許へ行く為の生贄に、該・刻刃の魂を捧げる。  ふんぐるい むぐるうなふ……写本『無名の書』を怪しい発音で全身全霊で唱える。嫌に暑い。額から汗が流れ出る。  突如として、身体が震える。人体から汗だけではなく、あらゆるところから出た水分が空中に集まる。  頭から全てが消え去ってゆく。  俺の魂を捧げます! と、最後にイスの大いなる方々に祈って俺の灯火は消し炭になる。 【犯人視点】終わり 続く?
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