348 斎藤の憂鬱 その一

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副長室を出て自室へ帰る 参ったな 副長は、お気づきだったのだ 隊務に没頭し、総司とひろさんの姿さえ目に入れなければ、心を乱すことなく過ごせると思っていた だが、心の中にある彼らの姿にまで目を向けずに過ごすのは困難だ 気を抜く所を作れ・・・か 実際、伊東の勉強会や食事会に欠かさず参加し、その動向を探る間者は、常に気を張り詰めていなければならない務めだ 女を抱きに行く・・・か 旧屯所の暗い廊下で、ひろさんを抱き締めた感触や温もりが蘇り、心がざわつく
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