348 斎藤の憂鬱 その一

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報告を済ませ、部屋を下がろうとした時、 「で、ひろの事なんだが・・・」 と副長に言われ、ドキリとする 「さっきの話、聞こえたか?」 「会津藩の御仁と・・・と言う話でしょうか? すみません 聞くつもりはなかったのですが・・・」 「ああ、俺もひろも興奮して、つい、声が大きくなっちまったからな だが、まだ決まった話じゃねぇから、皆には伏せといてくれ それと、あいつの事だ、絶対に逃げようとするから、段取りがつくまで、外に出ねぇよう見張っといてくれ」 「御意」 「それと・・・」 「はい」 「お前ぇ、最近、ちょっと気張りすぎだ 連中に気づかれちゃまずいが、四六時中そんなに張り詰めていちゃ、持たねぇぞ? 総司やひろとも全く接触してねぇんだろ? 少しはどっか、気を抜く所を作れよ 女抱きに行くとか、ダチと話すくれぇいいんじゃねぇか?」 「ぎょ、御意」
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