理想的なRatio.07

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  「ま、そういうわけだから、明日一緒にお祝いしよう。そんで夜は二人で過ごしなよ」 「え…イルミネーション…」 そうだ、元々明日は実由とシンくんとランチをした後、シンくんを仕事へ見送って実由と一緒にイルミネーションを見に行く約束だった。 今だってその事前準備のために“ 東京100景 イルミネーションナイト ”なんて表紙にでかでかと書いてある雑誌を持って実由の家へランチに来たのに…。 「私とじゃなくて王子と行ったら良いでしょう、付き合ってるんだし」 「あんな目立つ人とそんなの行けるわけない…」 「道端でキスするくらいなんだからイルミネーションくらい」 「ちょっと!その話は蒸し返さないでよ!」 ごめんごめん、なんて口では謝罪の言葉を述べているが、ニヤニヤと笑う実由の顔を見てると全く反省してないのが手に取るようにわかるから何と返答すればいいものか…。 そりゃあ、結婚したい男No.1と行けるものなら行ってみたい、イルミネーションデート。 とかく私は夜景というものに目がないのだ。 以前付き合ってた人とは夜景を見たいがためにわざわざ予約がなかなか取れない夜景が綺麗な有名レストランへ食事をしに行ったこともあるし、その昔、良い感じだった人に夜景が見たいと言って高層ホテルの最上階ラウンジへカクテルを飲みに行ったこともある。 三十路にもなれば、なんやかんや色々そういうのは経験している。 夜景デートは私にとって特別楽しいし、うっとりするし、気分は盛り上がるし最高だ。 明日だってイルミネーションに力を入れている郊外のショッピングモールへ買い物に行き、その後は都心のホテルで食事。 そのまま高層階にあるバーへ夜景を見がてら飲みに行くつもりだった。 そしてシンくんの仕事が終わったら迎えにきてもらって、もし時間が許せばドライブもちょっとしようか、なんて色々と計画を練っていた。 それを結婚したい男No.1と出来たら、それはそれは良いだろう。 ……でも、なんか私がここ一ヶ月見てきた結婚したい男No.1のイメージとあんまりマッチしない。  
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