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『…俺は聞きたいけどな、美里さんがいつから俺のこと好きになってくれてたのか』
(やっぱりきた…!!!)
「ハハ…いつか機会があったらね…」
『なにーその興味なさげな返事!』
俺のことホントに好き?
問う声色は至極、やさしい。
ふんわり笑う先日の彼の顔が頭に思い浮かんで、ちょっと胸がきゅんとした。
初めて出会ったあの大通りでの、先日の告白。
私には到底思いつかないシチュエーション作りに驚いたけれど、素直に嬉しかった。
好きだと言われてドキッとしたし、時が止まったような感覚も味わったし、恋に完全に“ 落ちる ”瞬間を自分自身でまざまざと体験した。
いつだか実由と話した、私たちのラストチャンス。
実由にとってはシンくんがその相手でしょ!とそのとき言ったけれど、私にとっては…この人が、その相手なんだろうか。
「ね、高橋さん」
好きかと言われれば、好きに違いない。
でも、告白への返事で私はそういう言葉を直接的に語ることはしなかった。
結婚したい男No.1のまっすぐな姿を見てると自分の思うあれこれが何だか失礼な考えのような気がして…。
『ん?どうしました?』
「明日の夜…一緒に、過ごしませんか?」
***
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