第ニ章

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主婦の1日はとにかく朝が早い。 「…む、朝か」 すぐ横でまだ寝ている主様を起こさぬように布団から出て、先ずは顔を洗う。 「うむ、まぁこんなもんかの」 ケモノ耳を隠し、寝間着から着物に着替え、朝餉の支度をする。 主様の朝餉は決まってパン。 あとは目玉焼きと生野菜の盛り合わせ。 因みに、ワシは白飯とシャケと味噌汁。 「ほぉー……フンッ!」 普通ならば時間が用するが、ワシには神通力なる能力がある。 故に、朝は大抵コレで一気に料理を済ませる。 「さて、そろそろ主様を起こすか」 主様を起こすのは以外と簡単だ。 「主様よ、朝じゃ!」 秘技、ぼでーすらむ。 と言っても、単に主様にのしかかるだけなのだがな。 「…重い。銀杏さん、重い」 「40秒で起きよ。でないと狐火で燃すぞ?」 「早朝火災とかヤメろ!」 …これで確実に主様は起きる。 .
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