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「主様よ、今宵の帰りは早いか?」
「いや、別に普段と変わらないけど?」
焼いたパンをかじる主様に、ワシは珈琲を入れたカップを渡す。
「ならば今宵は時代劇すぺしゃるを見ぬか?」
「時代劇?…あぁ、この前CMでやってた暴君将軍だっけ?」
「左様。光々将軍の暴君っぷりを一緒に見たいのだ」
九代将軍光々公は、昼間は素浪人にして、夜は悪を暴君の如き暴れっぷりで懲らしめる時代劇だ。
「確か夜の20時だろ?と言うか、前に借りたDVDは?」
「既に全話80話見たわ。今回は延長2時間の特別版での、何としても見たいのだ」
「そうなのか?まぁ、上司からの誘いが無ければ…」
「全力で断れ。あらゆる手段を用いてでも断るのだ、主様よ」
「何その這ってでも早期帰宅しろ発言は?」
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