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…それは、いつもと変わらない平日だった。
「おはようございます」
「あらあら、おはようございます。ゴミ出しですか?」
出勤がてらにゴミ出しをする僕に、近所のおばさんに声をかけられて応じる僕。
「えぇ。妻は朝ご飯の片付けですし、僕が代わりで」
「偉いわねぇ…良く出来た旦那様だこと」
…と言うか、銀杏のケモノ耳が引っ込まないから、代わりに今回は僕が出してるだけだ。
人で言う寝癖っ毛なので、時間が経てば引っ込ませると言っていたが、毎回「主様!耳が引っ込まぬ!」って慌てながら必死になる銀杏が、個人的に可愛いわけだが、これは彼女には内緒だ。
「あら?何かしら?」
「え?」
頭上を見上げるおばさんに、僕もその方向を見上げると、そこには一羽のカラスが電線にとまっていた。
「いやねぇ…ゴミを荒らす気なのかしら?」
「取り敢えず、念の為にネットを掛けておきましょう」
「ありがとうねぇ。荒らされたりしたら大変なのよねぇ…」
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