第三章

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ー*ー 「ただいま」 「帰ったか、主様よ」 主人の帰宅を出迎える銀杏に、僕は「で、捕まえた?」と尋ねた。 「捕まえたとも、まぁ…少しばかり驚いたがな」 「…?」 帰宅前に、僕は銀杏に電話を入れた。 その話しの内容は「得体の知れない何かに見られてるから何とかして」と言ったのだ。 銀杏の神通力は、本来は「人ならざるもの」への対処に発揮する。 まぁ、個人的な使い方ではあるのだが…。 「おーろーしーてー!」 女の子の声がする居間へ向かうと、しめ縄に縛り上げられて宙吊りになる女の子がジタバタと暴れていた。 もっとも、その子の背中には真っ黒な翼が生えており、服装は修験者の様な格好だった。 「…銀杏、取り敢えずコイツは誰?」 「こやつは風子。烏天狗だ」 .
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