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烏天狗…。
いわゆる天狗と呼ばれる妖怪の子分に分類される存在で、カラスが霊力を持ったか、天狗がカラスに霊力を与えたかと諸説様々だ。
「知り合いなのか?と言うか、何も縛り上げなくても…」
「良いや主様よ、この者を見た目で判断してはならぬ」
そう銀杏が言うと、風子は舌打ちしてそっぽを向いた。
どうやら、銀杏とは旧知の仲なのだろう。
「で?お前は僕に何か用だったのか?」
「…銀杏がニンゲンと結婚したって風の噂で聞いたから、どんな奴かと思って」
「嘘を申すな。大方、逢魔時に誘い込んで食うつもりだったのだろう?」
そう銀杏が物騒な事を言うと、明らかに顔色を変えて同様する風子。
「ホントかよ?てか、逢魔時ってそんな簡単に開けるのか?」
「ある程度の霊力を持つ妖怪や、わしの様な神族ならば、開くことは可能だ。ただし、条件もいくつかあるし、此奴の場合は、せいぜい眼前に現れて直接連れ去るのだろうがな」
「物騒だなオイ」
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