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僕や風子のツッコミに、銀杏はそう言うと、風子を縛る縄を切った。
「あ痛ッ!」
「警告は一度しか言わん。ワシと主様の前に二度と現れるな。次現れたら、手羽元にしてくれる」
「まぁまぁ待てよ。一応さ、コイツの話しを聞いてやろうぜ?お前、こいつから事情とか聞いてないんじゃないのか?」
僕がそう銀杏に聞いたのには理由がある。
風子が僕を食おうとしたとのならば、その隙はいくらでもあった。
確かに、逢魔時を用いてしまえば確実だが、それなら夕方まで待てば済む話しだ。
現に、僕が銀杏と夫婦であるのを知っていたのならば、わざわざ危険な橋を好んで進むだろうか?
何せ銀杏は、九尾の妖狐。
力の序列では、かなり上の存在らしく、その辺の雑魚とは違うと豪語している。
しかも、僕の嫁だ。
当然、僕に何かあったら、間違い無く彼女の逆鱗に触れる事になる。
「む…仕方ない。主様が言うのであれば聞いてやろう」
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