第三章

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落胆してしまう銀杏に、宿を確保出来て喜ぶ風子。 出来れば仲良くしてもらいたいけど…。 ー*ー 「…嫌がらせのつもり?」 「何を言うか。つもりでは無い。嫌がらせだ」 古くなったCDを天井や壁にぶら下げる銀杏に、風子は歯軋りしながら彼女を睨む。 「ホンット性格悪いわね!」 「いつかのタマネギの礼だ」 「へーへー。タマネギ食べるとお腹壊すんだもんねぇー?」 狐はイヌ科に分類される動物で、イヌにタマネギを食べさせてはならない。 理由としては、タマネギに含まれる成分が、イヌ科動物と相性が最悪なのだ。 「…どうでも良いが、部屋の片付けはするんだろうな?」 「判っておるとも主様よ…オイ」 クイッと外を指差す銀杏に、風子は無言で頷くと、そのまま外に出た。 「お、おい銀杏?」 「案ずるな主様よ。チョットした"遊戯"だ」 満面の笑みだが、非常に怖い。 .
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