第四章

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それは、ある日の休日だった。 「主様~、ちと手伝ってくれんか?」 「あぁ、ちょっと待ってろ」 アパートの外で、家財道具やゴミ出しをする僕と銀杏は、大家さんからの依頼でこの作業をしているのだ。 僕等が住む部屋の真下の住人が、定年を機に故郷に帰るとの事だ。 元々、単身赴任でこのアパートを借りていたらしく、故郷には奥さんがいるそうだ。 今時変わってると言えばそうなのだが、上の階に住んでいる手前、不要品の部屋出しを手伝っているのだ。 「随分と古めかしい品もあるな?」 「大家さんの話しだと、10年以上住んでたんだってさ。僕も挨拶程度しか面識なかったけどね」 .
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