第四章

10/19
前へ
/74ページ
次へ
一息着いた僕に、風子は僕の手首の痣を見る。 「あれ?まだアザが…」 「え?まだアザが残って…」 「…!イカン!主様、窓を見てはならぬ!」 迂闊だった。 何も手鏡に警戒するだけじゃ駄目なんだ。 アザは夢の中で付けられた。 もし、それが夢の中であると同時に…。 鏡の中で着けられたのならば…。 「しまった!京治さん下がって!」 窓ガラスに映った僕の背後には、夢の中で現れた和服美人が立っていた。 それも、その背後に無数の黒い腕を出現させて。 「見ぃ~つけた…」 .
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加