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一息着いた僕に、風子は僕の手首の痣を見る。
「あれ?まだアザが…」
「え?まだアザが残って…」
「…!イカン!主様、窓を見てはならぬ!」
迂闊だった。
何も手鏡に警戒するだけじゃ駄目なんだ。
アザは夢の中で付けられた。
もし、それが夢の中であると同時に…。
鏡の中で着けられたのならば…。
「しまった!京治さん下がって!」
窓ガラスに映った僕の背後には、夢の中で現れた和服美人が立っていた。
それも、その背後に無数の黒い腕を出現させて。
「見ぃ~つけた…」
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