第四章

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そう言って僕と銀杏をアパートの部屋から脱出させた風子は、玄関のドア前に立ち塞がる。 「さぁて…アンタの正体の目星は付いたわよ?雲外鏡!」 結界から飛び出した手鏡は、そこに和服美人を写し出して不気味に笑っていた。 「邪魔をするな!烏の小天狗が!!」 「神木に奉られし大天狗様にお仕えせしは風の子天狗の風子…参る!」 ー*ー 「ハァハァハァ…なぁ、大丈夫なのか?」 「案ずるな!風子とて神格の天狗。禍ツ神に遅れは取らんよ!」 深夜の街を走る僕と銀杏は、禍ツ神の急襲に対応するため、鏡の無い場所を走った。 「でも、何で夜中の0時を過ぎたのに襲って来れたんだ?」 「気奴は恐らく、主様に夢で襲った直後窓ガラスに移動していたのだろう。気取られまいと手鏡を遠隔操作して、ワシを謀るとは…何たる不覚!」 悔しそうに言う銀杏は、ビルの工事現場に僕を連れ込むと、近くの物陰に隠れた。 「ここならば鏡はおろか反射する物体は無い。主様は此処に居てくれ」 「銀杏は?」 ケモノ耳と尻尾を出し、巫女服から初めて出会った時の着物姿に変わった銀杏は真剣な眼差しになる。 「風子とは旧知の仲だしな。助けねばならんて」 「無茶だって!相手は鏡や自分が写り込む物全部に出てくるんだぞ?」 「主様を守るのも、妻であるワシの務めよ。それに、奴の正体は先の出来事で判ったしの」 「正体?」 .
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