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一人ぼっちの灯り台
悲しみに濡れた光が、幽霊にさえ冷たく感じられるらしい。
ああ、どうしてこうもあの光は、不安感を煽るのだろう。まるで光に怯えている幽霊たちが、隠れ蓑を探しているとでも言いたげだからだろうか。
何も近寄ることのない光は、いったい何を照らしている? そこに映し出されるのはいつだって――――。
ああ、分からない。分からないや。
でも今日も
光をともさなくては。
僕は電気。
あの明台に、生命を吹き込むもの。
今ではもう、誰かの――何かの――あの痕跡を照らすだけなのに。
行き場を失った、幽霊たちと過去たちの悲鳴が今日も、静かに弾けて消えるだけ。
雨。止む。
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